漫画紹介(ドラマ化決定):大奥

「大奥」は隔月刊誌に2004年8月号から2021年2月号にかけて連載された、よしながふみ先生による全19巻の漫画です。2023年1月からNHK総合のドラマ10枠で、ドラマ化が決定しています。本作の舞台となるのは、日本の江戸時代をモデルとしたパラレルワールドです。若い男性のみが感染して数日後には死に至る、赤面疱瘡という病がまん延した影響で、男性の人口が女性の4分の1にまで減少しています。

結果、江戸城では第3代将軍の家光以降の将軍職は女性が引き継ぎ、大奥には男の世界が築かれるといった形で男女の立場が入れ替わるようになりました。家光編から大政奉還、大奥の終焉に至るまで病や権力、ジェンダー問題といった課題を男女逆転大奥として描いた作品です。2009年に第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞など、日本の複数の漫画賞を受賞しています。さらに、2005年には第5回センス・オブ・ジェンダー賞の特別賞も受賞。

日本国内外から、ジェンダーに対する理解を深められるという作品の内容が高く評価されています。過去にもよしながふみ先生原作の大奥は映像化されてきているものの、大政奉還まで描かれるのは今回が初めてとなります。ドラマの脚本を手掛けるのは、「仁-JIN-」の森下佳子氏です。これまでの作品の世界観を引き継ぎながらも、一味違った新しい「大奥」がみられるかもしれません。男女逆転大奥で生き抜く人々の姿を、最後まで見届けましょう。